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社長のつぶやき

イギリス式整形庭園とトピアリー

おはようございます。トピアリスト・topiarist宮崎です。
今朝はイギリス整形式庭園について。
「刈込み物」つまりトピアリーを庭園に使うことがイギリスで始まったのはチューダー朝(1485~1603年)。
有名なのがハンプトン・コート。
ヨークの大司教であり、ヘンリー8世の公使だったトーマス・ウルジが7年かけて造営したものの、王の嫉妬を恐れてこれを王に「進呈した」宮殿です。
ヘンリー8世の娘エリザベス女王(在位1558 – 1603年)は貴族たちを郊外の邸宅に住み、美しい庭を維持管理することを奨励しました。
映画大好きの私。
1998年に公開された『エリザベス』(Elizabeth)に、ケイト・ブランシェット演じるエリザベス女王が「お茶に行くわ」と馬を走らせて貴族の邸宅に突然押しかけるシーンがありました。
ゆっくりと邸宅を見て回り「庭の手入れをするように」と命じます。
これはエリザベス女王が単に庭好き、というだけでなく貴族たちが軍備を進めていないかをチェックしているのだと私は思いました。
その後、女王メアリー2世の夫でありオランダ総督だったウィリアム3世(イングランド在位1689~1702年)がイギリスの共同統治者となり、ハンプトン・コートも改修されるのです。
1649年にロンドンから遠く離れた湖水地方に造営されたトピアリー庭園がレベンス・ホール。
ルノートルの弟子が設計したとされていて、設計図も残っています(当時の給与も!)。
設計図からはフランス人の設計にも関わらずオランダの影響を受けて造園されたことがわかります。
そして、この庭園は設計当時のまま現存しているトピアリー庭園なのです。
18世紀に入り、イギリスのトピアリーは衰退し風景式庭園へと姿を変えます。
政治家のアディソン、詩人のポープら思想家たちがイギリス式整形庭園を強烈に批判し、トピアリー庭園は廃れていくのです。

▲トピアリー庭園 at ハットフィールドハウス

▲ハットフィールドハウスの迷路(写真奥)
©Hatfield House
▲レベンスホールの設計図面

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